UR賃貸と都営住宅は同性パートナーと住める?

都営住宅は募集案内で「配偶者・同居親族」にパートナーシップ関係にある方が含まれ、資格審査で受理証明書等の確認があります。ただし所得に上限があり、2人世帯なら年間所得227万6千円までです。UR賃貸住宅は所得の上限がなく保証人も礼金も不要で、親族以外は全員が契約者になるハウスシェアリング制度が用意されています。
結論:都営住宅は制度の対象、URは親族以外でも契約できる枠がある
公的な賃貸住宅を同性パートナーと検討するとき、入口は大きく二つあります。都営住宅はパートナーシップ受理証明書があれば「配偶者・同居親族」と同じ扱いで申し込めることが募集案内に明記されており、UR賃貸住宅には親族以外の複数人がそれぞれ契約者になれる「ハウスシェアリング制度」があります(2026年9月時点)。
ただし性格はまったく違います。都営住宅は住宅に困っている低所得世帯向けで所得の上限があり、抽選が基本です。URは所得の上限がなく先着で申し込めますが、家賃は市場に近い水準です。
この記事では二つを順番に整理し、最後に比べます。民間の賃貸で関係性をどう伝えるかは同性カップルの賃貸申込、続柄は何と書く?で扱っています。
都営住宅:パートナーシップ受理証明書で申し込める
東京都住宅政策本部の募集案内には、「配偶者」「同居親族」「親族」と記載のあるものは「パートナーシップ関係にある方」も対象となる、と書かれています。「夫婦」と記載のあるものも「パートナーシップ関係にある二者」が対象です。
必要な条件
募集案内では、パートナーシップ関係の相手方がいる方の申込みについて、資格審査のときにパートナーシップ受理証明書等で確認できること、かつ法律上の配偶者がいないことが条件とされています。
受理証明書は東京都パートナーシップ宣誓制度で交付されるもので、区市町村の制度による証明も認められています。制度そのものの要件と手続きは東京都パートナーシップ宣誓制度と住まいにまとめました。
そのほかの主な資格
- 申込者が東京都内に居住する成年者で、そのことが住民票の写しで証明できること
- 申込者と同居親族に、住宅または土地の所有者がいないこと(共有持分を含む)
- 公的住宅(公営住宅・UR賃貸住宅・公社住宅・都民住宅など)の名義人がいないこと
- 所得が基準の範囲内であること
家族向の募集は、申込期間に同居している親族との申込みが原則です。現に同居している人を除いた申込みは、結婚・転勤・就職・独立などの理由がなければできません。
都営住宅の所得基準
所得には上限があります。次のグラフは一般世帯と特例世帯の年間所得金額の上限です。特例世帯には、心身障害者がいる世帯、60歳以上の世帯、高校修了期までの子どもがいる世帯などが含まれます。
家族人数が7人以上の場合は1人増えるごとに38万円を加算します
数値を表で見る
| 項目 | 一般世帯 | 特例世帯 |
|---|---|---|
| 1人 | 189.6万円 | 256.8万円 |
| 2人 | 227.6万円 | 294.8万円 |
| 3人 | 265.6万円 | 332.8万円 |
| 4人 | 303.6万円 | 370.8万円 |
出典:東京都住宅政策本部「所得基準」(2026年9月確認)
ここでいう所得金額は、年間所得金額から特別控除額を引いた額です。特別控除には老人扶養控除、特定扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除があります。
二人で申し込む場合は二人の所得を合わせて見ます。二人とも安定した収入がある世帯だと、2人世帯の上限227万6千円を超えることが多い点は先に知っておいてください。超える場合は、次に説明するURや民間の賃貸が現実的な選択肢になります。
都営住宅の募集の種類
都営住宅の募集には、時期の決まった定期募集と、そのほかの募集があります。人気の住宅は応募倍率が高く、抽選で決まります。
| 募集の種類 | 時期 |
|---|---|
| 定期募集 | 5月・11月/8月・2月 |
| 毎月募集 | 毎月 |
| 随時募集(一般募集住宅) | 随時 |
出典:東京都住宅政策本部「都営住宅入居者募集サイト」(2026年9月確認)
家族向は2人以上の世帯が対象で、単身で住む人は単身者向の募集に申し込みます。単身者向は資格が別に定められているため、二人での申込を考えている場合は家族向の案内を見てください。
UR賃貸住宅:保証人も礼金もいらない
UR賃貸住宅(都市再生機構)の特徴は、契約にかかる負担が少ないことです。公式サイトには礼金ナシ・仲介手数料ナシ・更新料ナシ・保証人ナシと明記されています。
出典:UR賃貸住宅「お申込み資格」(2026年9月確認)
保証人がいらない点は、家族に関係を話していない人や、親に保証人を頼みにくい人にとって大きな違いです。保証人や保証会社の仕組みそのものは賃貸で保証人がいないときで詳しく扱っています。
URの申込資格と収入の基準
URには所得の上限はありませんが、家賃に対する収入の下限があります。基準月収額は家賃の水準によって決まります。
| 家賃 | 世帯で申込む場合 | 単身で申込む場合 |
|---|---|---|
| 62,500円未満 | 家賃額の4倍 | 家賃額の4倍 |
| 62,500円以上82,500円未満 | 家賃額の4倍 | 25万円 |
| 82,500円以上20万円未満 | 33万円 | 25万円 |
| 20万円以上 | 40万円 | 40万円 |
出典:UR賃貸住宅「お申込み資格」(2026年9月確認)
収入が基準に届かない場合でも、貯蓄額が月額家賃の100倍以上あるときは、それに代えることができるとされています。家賃10万円の住宅なら1,000万円が目安です。
URで二人で住むには
前の項目のとおり、URの「同居親族」は配偶者と一定の範囲の血族・姻族を指します。公式の申込資格のページには、親族以外の同居についての記載はありません。
ハウスシェアリング制度
一方でURには、親族以外と住むための制度があります。公式サイトの説明は「友人と共同でお住まいいただける住宅があります」というもので、一緒に住む方全員が契約名義人となり、それぞれが一定の収入要件を満たす形をとります。
- 対象の住宅を探すこの制度を使える住宅は限られている。URの窓口やサイトで対象かどうかを確認する
- 全員が契約名義人になるどちらか1人が契約者という形ではなく、二人ともが契約者になる
- それぞれが収入要件を満たす合算ではなく、各自が基準を満たす必要がある
二人ともが契約者になるため、片方の収入だけで基準を満たす形にはできません。逆に言えば、関係性を親族として説明する必要がないのがこの制度の性質です。
首都圏の区市からURの募集を見る
URは空室が出た住宅から先着で申し込む形なので、まずは住みたい区市に募集があるかを見るのが早いです。下のリンクはUR公式の検索ページに直接つながります。
区市からURの募集を見る(UR公式サイトへ)
出典:UR賃貸住宅(2026年9月確認)。募集状況はリンク先の最新の情報をご確認ください
気になる住宅が見つかったら、その住宅がハウスシェアリング制度の対象かどうかをURへ確認してください。対象は限られており、公式の検索条件では絞り込めません(2026年9月時点)。
二つを比べる
同じ「公的な賃貸」でも、向いている人が違います。
| 都営住宅 | UR賃貸住宅 | |
|---|---|---|
| 同性パートナーの扱い | 募集案内に明記(受理証明書等が必要) | 親族以外はハウスシェアリング制度。パートナーについての個別の記載はない |
| 所得 | 上限がある(2人世帯227万6千円など) | 上限なし。家賃に対する下限がある |
| 決まり方 | 募集期間に申込み、抽選が基本 | 空室に先着で申込み |
| 保証人 | 連帯保証人は不要とされている | 不要と明記 |
| 初期費用 | 敷金が必要 | 礼金・仲介手数料・更新料なし |
出典:東京都住宅政策本部、UR賃貸住宅の各公式ページ(2026年9月確認)。条件は住宅・募集によって異なります
参考にした資料
- 都営住宅の入居資格(東京都住宅政策本部)(2026年9月確認)
- 都営住宅の所得基準(東京都住宅政策本部)(2026年9月確認)
- 都営住宅入居者募集サイト(東京都住宅政策本部)(2026年9月確認)
- お申込み資格(UR賃貸住宅)(2026年9月確認)
- 便利な制度(UR賃貸住宅)(2026年9月確認)