賃貸で保証人がいないとき|保証会社の使い方

連帯保証人を立てずに家賃債務保証会社を使う形が今の賃貸では一般的です。保証会社は国の登録制度の対象で、2026年8月13日時点で123者が登録されています。ただし登録は任意の制度で、使う会社は物件ごとに指定されることが多いです。保証会社を使っても緊急連絡先は別に求められます。
結論:保証人を頼まずに借りる方法がある
家族に関係を話していない、親に頼みにくい、頼れる親族がいない。そういう理由で保証人に困る人は珍しくありません。結論として、連帯保証人を立てずに家賃債務保証会社を使う形が今の賃貸では一般的です。
保証会社は国の登録制度の対象になっており、2026年8月13日時点で123者が登録されています。さらに、住宅の確保に配慮が必要な人が使いやすい業者を国が認定する制度もあります。
この記事では、保証会社の仕組み、審査で見られるところ、契約前に確認したい条項、そして保証人以外に用意を求められる緊急連絡先の考え方を整理します。
連帯保証人と保証会社はどう違うか
どちらも「家賃が払われなかったときに備える仕組み」ですが、負担する人とお金の流れが違います。
| 連帯保証人 | 家賃債務保証会社 | |
|---|---|---|
| 引き受ける人 | 個人(多くは親族) | 会社 |
| 費用 | かからない | 初回と更新時に保証料を払う |
| 関係を伝える相手 | 頼む相手に事情を説明することになる | 親族に頼まずに済む場合がある |
| 審査 | 保証人の収入や勤務先を確認される | 契約者本人が保証会社の審査を受ける |
| 選べるか | 物件によって不可の場合がある | 使う会社は物件ごとに指定されていることが多い |
出典:国土交通省の各公式ページをもとに整理(2026年9月確認)。扱いは物件・管理会社によって異なります
個人に頼む場合の注意
2020年4月1日に施行された改正民法では、個人が保証人になる根保証契約について、支払い責任の上限となる「極度額」を書面で定めなければ保証契約は無効とされました。誰かに頼むときは、上限額が契約書に書かれることを先に伝えておくと話がしやすくなります。
保証会社の登録制度と認定制度
保証会社を選ぶとき、国の制度を知っておくと判断材料が増えます。
出典:国土交通省「家賃債務保証業者登録制度」「登録家賃債務保証業者一覧」(2026年9月確認)
登録制度
国土交通省は家賃債務保証の業務の適正化を図るために、告示による登録制度を設けています(平成29年10月2日公布、同年10月25日施行)。ただしこれは任意の登録制度であり、登録をしなくても家賃債務保証業を営むことは可能です。
つまり「登録されていない会社だから問題がある」とは言えませんが、登録の有無は国交省のサイトで確認できます。
認定制度
もう一つ、認定家賃債務保証業者制度があります。国交省の説明では、住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者として、登録業者等から一定の要件を満たす者を国土交通大臣が認定する制度です。根拠法は住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(平成19年法律第112号)です。
審査で見られるところ
保証会社の審査基準は会社によって異なり、公表されていないのが普通です。そのうえで、申込書に書く項目から何を見ているかは推測できます。
- 家賃と収入のバランス(家賃が手取りに対して重すぎないか)
- 勤務先と勤続年数、雇用の形
- 過去の家賃の滞納や支払いの履歴
- 緊急連絡先が用意されているか
同性カップルであること自体が審査項目になっているわけではありません。ただし二人で住むこと自体を認めていない物件はあるため、そこは保証会社の審査とは別の問題です。断られる理由の整理は同性カップルが賃貸で断られる理由と対策にまとめています。
- 申込書を出す契約者の情報、勤務先、緊急連絡先を書く。同居人の情報も求められることが多い
- 保証会社の審査数日程度。契約者本人や勤務先、緊急連絡先に確認の電話が来ることがある
- 保証委託契約保証料を払う。契約書の内容はここで確認する
- 賃貸借契約入居審査と保証の審査が通ってから、物件の契約に進む
契約前に読んでおきたい条項
保証会社との契約は、自分が支払いを滞らせたときにどうなるかを決めるものです。国交省は、最高裁判決(令和3年)を踏まえた通知で、次の条項を使用しないよう求めています。
- 何らの限定なく賃貸借契約を無催告で解除できる条項
- 賃貸住宅の明渡しがあったものとみなす条項
言い換えると、滞納があってもすぐに解除されたり、部屋を明け渡したとみなされたりする条項は使わないよう国が求めているということです。契約書にこうした内容が見えたら、不動産会社に説明を求めてください。
そのほかに見ておく点
保証料は初回だけでなく、1年ごとや更新時にかかる形が多いです。総額でいくらになるかを申込前に聞いておくと、初期費用の見積もりがずれません。
緊急連絡先をどうするか
保証会社を使う場合でも、緊急連絡先は別に求められるのが一般的です。家族に話していない人にとっては、ここが最後の壁になりがちです。
考えられる選択肢
- 関係を知っている兄弟姉妹や親族:親族を条件とする物件でも満たしやすい
- 信頼できる友人:親族以外を認めている物件なら候補になる
- 緊急連絡先の代行サービス:費用を払って引き受けてもらう民間サービス。認めるかどうかは物件や保証会社によって異なる
同居するパートナーを緊急連絡先にできるかは扱いが分かれます。同居している人は連絡先として認められないことがあるため、別の人を用意しておくと安心です。
保証人も緊急連絡先も不要にしたい場合は、保証人ナシと明記されているUR賃貸住宅も選択肢になります。条件はUR賃貸と都営住宅は同性パートナーと住める?で扱っています。
それでも決まらないときの公的な相談先
保証会社の審査が通らない、保証人も緊急連絡先も用意できない。そういうときに使える公的な仕組みとして、住宅セーフティネット制度があります。
居住支援法人
居住支援法人は、住宅セーフティネット法第59条に基づき都道府県が指定する法人です。国交省の説明では、住宅確保要配慮者に対し家賃債務保証の提供、賃貸住宅への入居に係る住宅情報の提供・相談、見守りなどの生活支援等を実施する法人とされています。
つまり、家賃債務保証そのものを引き受けてくれる場合があります。一覧は国交省のサイトで都道府県ごとに公表されています(令和8年6月30日時点の一覧が掲載されています)。
自分が対象になるかどうか
対象となる「住宅確保要配慮者」は、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育する者、その他住宅の確保に特に配慮を要する者と定められています。
この「その他」に誰を含めるかは、都道府県などが計画で定める仕組みです。そのため、自分が対象になるかは住む自治体によって変わります。気になる場合は、自治体の住宅担当課か、地域の居住支援法人に直接聞くのが確実です。
参考にした資料
- 家賃債務保証業者登録制度(国土交通省)(2026年9月確認)
- 登録家賃債務保証業者一覧(国土交通省)(2026年9月確認)
- 認定家賃債務保証業者制度(国土交通省)(2026年9月確認)
- 認定家賃債務保証業者一覧(国土交通省)(2026年9月確認)
- 住宅確保要配慮者居住支援法人について(国土交通省)(2026年9月確認)
- セーフティネット住宅 情報提供システム(国土交通省)(2026年9月確認)
- 法務省「2020年4月1日から賃貸借契約に関する民法のルールが変わります」(PDF)(2026年9月確認)