同性カップルの賃貸申込、続柄は何と書く?書類と流れ

同性カップルの賃貸申込は、どちらか1人を契約者、もう1人を同居人として書くのが基本です。続柄は「パートナー」「友人」「同居人」のどれにも一長一短があり、大切なのは申込書・審査の電話・契約書で説明をそろえること。緊急連絡先と保証の形を早めに決め、書類を二人分用意しておくと手続きが進めやすくなります。
結論:申込書は「契約者1人+同居人1人」で書くのが基本
同性カップルで賃貸を申し込むときは、どちらか1人を契約者、もう1人を同居人(入居者)として書くのが一般的です。続柄欄は「パートナー」「友人」「同居人」などから選びますが、どれが正解というものではなく、物件や管理会社によって受け止め方が異なります。
この記事では、欄ごとの書き方と、二人それぞれが用意する書類を順番に整理します。
なぜ断られることがあるのか、断られたときにどうするかは、同性カップルが賃貸で断られる理由と対策で詳しく扱っています。
契約者と同居人、どちらを誰にするか
契約者は、家賃の支払い義務を負い、保証会社の審査を主に受ける人です。同居人は、その部屋に一緒に住む人として申込書に記載されます。
契約者を決める目安
審査では、主に契約者の収入と家賃のバランス、勤務先、勤続年数などが見られます。そのため、収入が安定している方、勤続年数が長い方を契約者にすることが多いです。
ただし、家賃を二人で分けて払う予定でも、契約上の支払い義務は契約者にあります。どちらが契約者になるかは、別れた場合や片方が転勤した場合に部屋をどうするかまで含めて話し合っておくと安心です。
二人とも契約者にできる?
二人が連名で契約する形や、同居人の収入を合算して審査する形に対応している物件もありますが、扱いは管理会社や保証会社によって異なります。希望する場合は、申し込む前に不動産会社へ確認してください。
続柄の書き方と、それぞれの長所・短所
続柄欄は、選択肢から選ぶ形式と、自由に書く形式があります。選択肢に「配偶者」「子」「親」しかない場合は、「その他」を選んで補足を書く、または不動産会社に書き方を聞くのが確実です。
| 続柄の書き方 | 長所 | 短所・注意点 |
|---|---|---|
| パートナー | 関係をそのまま伝えられる。受理証明書などを添えると説明しやすい。二人入居の理由が明確になる | 物件によっては追加の確認や説明を求められる場合がある。関係を伝える相手が増える |
| パートナー(同性) | 後から誤解が生じにくい。理解のある管理会社を見分けるきっかけになる | カミングアウトの範囲が広がる。書くかどうかは本人たちの判断 |
| 友人 | 関係を説明せずに済む。ルームシェアとして扱われることが多い | ルームシェア不可の物件では申し込めない場合がある。1LDKなどでは入居理由を聞かれることがある |
| 同居人・その他 | 関係の中身に触れずに記載できる | 何の関係か確認されやすい。口頭で聞かれたときの答えを決めておく必要がある |
出典:MAGNAVI 住まい編集部による整理(2026年9月時点)。扱いは物件・管理会社・保証会社によって異なります
どの書き方を選ぶにしても、申込書・審査の電話・契約書で同じ説明をすることが一番大切です。事実と違う内容を書くと、後で契約上の問題になるおそれがあります。
パートナーシップ証明書は申込でどう使えるか
東京都では、2022年11月1日から「東京都パートナーシップ宣誓制度」が運用されています。二人の宣誓・届出を都が受理したことを証明する「受理証明書」が交付される制度で、手続きは原則オンラインです(2026年9月時点)。
出典:東京都総務局人権部(2026年9月確認)
対象は、双方またはどちらか一方が都内在住・在勤・在学であること、双方が成年であることなどの要件を満たす二人です。都は民間事業者向けのページで、受理証明書の活用例として「賃貸物件の紹介における配慮」を挙げています。
申込で使うときの考え方
続柄を「パートナー」と書く場合に、受理証明書の写しを添えると関係を説明しやすくなります。一方で、証明書は婚姻とは異なり法律上の効果を生じさせるものではなく、戸籍や住民票の記載も変わりません。
そのため、証明書があれば配偶者と同じ扱いになるとは限りません。提出する前に不動産会社へ相談するのがおすすめです。
家族にカミングアウトしていないときの緊急連絡先
申込書には、契約者とは別に緊急連絡先を書く欄があります。多くの場合、親族を求められますが、家族に関係を話していない人にとっては悩みやすい欄です。
考えられる選択肢
- 関係を知っている兄弟姉妹や親族:親族を求められる場合でも条件を満たしやすい
- 信頼できる友人:親族以外を認めている物件なら候補になる
- 緊急連絡先の代行サービス:費用を払って連絡先を引き受けてもらう民間サービス。認めるかどうかは物件や保証会社によって異なる
パートナー同士をお互いの緊急連絡先にできるかは、物件や保証会社によって扱いが分かれます。同居している人は連絡先として認められないことがあるため、別の人を用意しておくと安心です。
連帯保証人と保証会社の違い
最近の賃貸では、連帯保証人の代わりに、または連帯保証人とあわせて、家賃保証会社の利用を条件にする物件が多くなっています。保証会社を使う場合、親族に保証人を頼まなくてよいことがあるため、家族に話していない人には選びやすい方法です。
保証会社を使う場合
保証会社の審査を受け、初回と更新時に保証料を払います。保証料や審査基準は会社によって異なり、利用する会社は物件ごとに指定されていることが一般的です。
個人の連帯保証人を立てる場合
2020年4月1日に施行された改正民法では、個人が保証人になる根保証契約について、支払い責任の上限となる「極度額」を書面で定めなければ保証契約は無効とされました。保証人を頼むときは、上限額が契約書に記載されることを相手にも伝えておくと、話がしやすくなります。
二人がそれぞれ用意する書類
必要な書類は物件や保証会社によって異なりますが、次のものを求められることが多いです。申込の段階では、写真やコピーの提出で済む場合もあります。
契約者
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入を証明する書類(源泉徴収票、課税証明書、給与明細など)
- 住民票(契約時に求められることが多い)
- 印鑑、または電子契約用のメールアドレス
同居人(パートナー)
- 本人確認書類
- 勤務先・年収がわかる情報(収入証明を求められる場合もある)
- 住民票(入居者全員分を求められる場合がある)
- パートナーシップ制度の受理証明書の写し(使う場合のみ)
二人で共通して決めておくこと
- 続柄欄の書き方と、電話で聞かれたときの説明
- 緊急連絡先を頼む相手と、その人への事前連絡
- 保証会社を使うか、連帯保証人を立てるか
外国籍のパートナーと住む場合は、在留カードなど追加の書類が必要になります。詳しくは外国人パートナーと賃貸を借りるときの審査を参考にしてください。
申込から入居までの流れ
申込から入居までは、おおむね次の順番で進みます。それぞれの段階で、誰が何を出すかを確認しておきましょう。
- 申込契約者:申込書と本人確認書類・収入証明。同居人:申込書の同居人欄と本人確認書類
- 審査契約者と緊急連絡先に確認の電話が来ることがある。同居人の勤務先を聞かれる場合もある
- 契約契約者:契約書への署名・初期費用の支払い・住民票。同居人:住民票などを求められる場合がある
- 入居鍵の受け取り。二人とも転居の届出を行い、住所変更を済ませる
入居後に一緒に住み始める場合
最初は一人で契約し、後からパートナーが引っ越してくることもあります。多くの契約書では、同居人が増えるときに管理会社への届出や承諾が必要とされています。無断で同居すると契約違反と見なされる場合があるため、事前に連絡してください。
参考にした資料
- 東京都パートナーシップ宣誓制度(東京都総務局人権部)(2026年9月確認)
- 東京都パートナーシップ宣誓制度(届出希望の方向け)(2026年9月確認)
- 東京都パートナーシップ宣誓制度(事業者等の皆様へ)(2026年9月確認)
- 「東京都パートナーシップ宣誓制度」をよりよく知るためのハンドブック(PDF)(2026年9月確認)
- 法務省「2020年4月1日から賃貸借契約に関する民法のルールが変わります」(PDF)(2026年9月確認)