同性パートナーと同棲|住民票と世帯の手続き

住民票は同じ住所に二つの世帯として登録することも、一つの世帯にまとめることもできます。同一世帯にすると相手の証明書を取りやすくなる反面、同居していることが住民票に残ります。転入届も世帯変更届も期限は14日以内。親族でない場合の続柄は「同居人」または「縁故者」が基本です。
結論:住民票は「同一世帯」か「別世帯」かを自分たちで選べる
同性パートナーと同棲を始めるとき、住民票の扱いは同じ住所に二つの世帯として登録する(別世帯)か、一つの世帯にまとめる(同一世帯)かを選べます。どちらが正しいというものではなく、それぞれ違いがあります。
同一世帯にすると、世帯主と、もう一方の「世帯主との続柄」が住民票に記載されます。親族でない場合、続柄は「同居人」または「縁故者」と記載されるのが基本です。
この記事では、引っ越しの届出、世帯をまとめる手続き、続柄の表記、そして自治体によって扱いが分かれる点を順番に整理します。
引っ越したときの届出と期限
まず押さえたいのは期限です。転入届は、引っ越した日から14日以内に提出します。同じ住所のまま世帯を変える場合の世帯変更届も、変更があった日から14日以内です。
出典:総務省、渋谷区(2026年9月確認)
二人が別々に引っ越してくる場合
二人が同時に同じ部屋へ引っ越すなら、転入届の段階で世帯をまとめるか分けるかを決められます。片方が先に住んでいて後から合流する場合は、後から来る人が転入届を出し、その後に世帯を変える届出をする流れになります。
世帯を一つにまとめる手続き
同じ住所にある二つの世帯を一つにする届出は「世帯合併」と呼ばれます。反対に一つの世帯を分けるのが「世帯分離」です。
親族でない場合に必要なもの
親族でない人が世帯合併をするときは、移る先の世帯主の同意書が必要になる場合があります。渋谷区は、同じ住所に登録している別の世帯へ「同居人」「妻(未届)」「夫(未届)」「縁故者」という続柄で世帯合併などの届出をする際は、異動先の世帯主の同意書が必要だと案内しています。
- 窓口で手続きする人の本人確認ができるもの(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
- 異動先の世帯主の同意書(続柄によって必要)
- 国民健康保険に加入している場合は、その確認書類
- 世帯主との続柄が登録された書類で確認できない場合は、続柄を証明する書類
同一世帯と別世帯の違い
選ぶときの判断材料になる違いを並べます。
| 同一世帯 | 別世帯 | |
|---|---|---|
| 住民票の記載 | 世帯主と、その続柄(同居人・縁故者など)が載る | それぞれが世帯主として載る。相手の名前は載らない |
| 相手の住民票・証明書の取得 | 同一世帯の人として請求しやすい | 委任状が必要になることが多い |
| 関係が記録に残るか | 同居していることが住民票から分かる | 同じ住所であること以上は分からない |
| 世帯変更の届出 | 世帯主の同意書などが必要になる場合がある | それぞれが転入届を出すだけで済む |
出典:総務省「住民基本台帳等」、渋谷区「世帯変更届」をもとに整理(2026年9月確認)
同一世帯にすると、相手の証明書を取りやすくなる一方で、同居していることが住民票に残ります。勤務先に住民票を提出する機会がある人は、そこまで含めて決めるのがおすすめです。
続柄の表記と、自治体による違い
親族でない同居者の続柄は「同居人」または「縁故者」と記載されるのが基本です。これに加えて、パートナーシップ制度の証明を使って表記を変えられる自治体があります。
世田谷区の例
世田谷区は、パートナーシップ宣誓等を行った人が申し出ることで、住民票の続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」等に変更できるとしています。従来どおり「縁故者」と表記することもできます。
申し出には、区の宣誓書の写しか宣誓書受領証、または東京都パートナーシップ受理証明書のいずれかと、官公署発行の写真入り証明書が必要です。窓口は各総合支所くみん窓口と各出張所です。
知っておきたい制約
世田谷区の案内には、次のような注意も書かれています。こうした制約は、ほかの自治体でも似た形で設けられていることがあります。
- 性別と異なる続柄の表記は対応できない
- コンビニ交付や自動交付機は利用できない(窓口での請求になる)
- 他の業務との情報連携では「同居人」または「縁故者」と通知される
- 法的効果が生じるものではない
- 区外へ転出すると続柄は「同居人」と表記される
最後の点は引っ越しを考えている人には重要です。表記を変えられるかどうかは自治体ごとの運用なので、引っ越し先でも同じ扱いになるとは限りません。パートナーシップ制度そのものは東京都パートナーシップ宣誓制度と住まいで扱っています。
同棲を始めるときの順番
物件が決まってから入居後の届出までを並べます。届出の期限が14日と短いので、引っ越し当日までに何を持っていくかを決めておくと慌てません。
- 契約と入居の準備二人入居が認められている物件か、同居人の届出が必要かを契約前に確認する
- 引っ越し前の住所の自治体で転出届が必要な場合は先に済ませる
- 転入届(14日以内)同じ世帯にするか別世帯にするかをここで決められる
- 世帯変更届(必要な場合)後から世帯を一つにするときに出す。世帯主の同意書が必要になる場合がある
- 続柄の申し出(希望する場合)対応している自治体では、証明書を添えて続柄の表記を申し出る
- そのほかの住所変更運転免許証、マイナンバーカード、金融機関、勤務先などの住所を変える
入居後にパートナーが引っ越してくる場合
先に一人で契約し、後から同居を始めるケースでは、契約書で同居人が増えるときの届出や承諾が求められていることが多いです。無断で同居すると契約違反と見なされる場合があるため、住民票の手続きより先に管理会社へ連絡してください。
参考にした資料
- 住民基本台帳等(総務省)(2026年9月確認)
- 住所の異動届は正しく行われていますか?(総務省)(2026年9月確認)
- 世帯変更届(世帯合併・世帯分離・世帯主変更など)(渋谷区)(2026年9月確認)
- パートナーシップ宣誓等を行った方の住民票の続柄変更に関する手続(世田谷区)(2026年9月確認)
- 世帯を変更するときの届出(世帯変更届)(世田谷区)(2026年9月確認)